闇の中を自転車で、駆け下りていく
昔から暗闇の中をママチャリでかけていくことに、異常なほどまでに魅力を感じる。
たまにそういう夢を見るし、実際にやってみたこともたくさんある。
小学生の頃などわざと遅くに帰って闇の坂を一気に駆け下りたりしていた。(とてもあぶない)
夢で見るときは決まってかごに赤ん坊やぬいぐるみが入っている。
そうだ、E.Tだ。
その憧れの根にあるのは言わずもがなのE.Tなのだ。
小さい頃に見た映画を繰り返し、繰り返し自分の身を持って再現して充実感を得てきたのだ。人形遊びの延長で、僕は自分自身をしばしば演者にする。
でもそれ以上に、それとは関係なしにもっともっと、闇の中を自転車で駆ける行為には魅力がある気がする。
それはおそらく、インディージョーンズなどの映画の影響もあるのだろうが、よくわからない。
でも、まあ本当にかっこいいし、気持ちいい行為なのだ。
夏の夜、激坂を思い切り駆け下りる。
その時、柳などが垂れ、自分の邪魔をし、ママチャリはボロボロでブレーキが効かなくてキィキィいってて、道がボコボコであったりするとなおよし。
その時、頭にかかる音楽は時により違うが頭文字Dが多い。
大人になってもこれはかっこいいと思うし、やっちゃうんだろうなと思うと、なんだか自分が嫌になると同時に好きになる。